新しい価値を創る
時は高度成長期。日本社会は自信に満ち溢れていました。
まもなくアメリカを抜いて、世界1の経済大国になると。
大阪ではアジア初の万国博覧会が開催され、その会場には、既に電気自動車が走り、
携帯電話が登場していました。
激しい成長のエネルギーに満ち溢れていた時代、私のクリエイティブの世界での仕事生活が始まったのです。
以来半世紀、寺山修司風に表現すれば「墓場まであと何マイル?」と数えられる齢に達した今、
誇るべき財産は特になく、一つ、二つのことを悟ったに過ぎません。
中でも常にスタッフに言い続けてきたことがあります。
それは、間違ってもビッグカンパニーにはしない、
どこまでも「エクセレントカンパニー」を目指すということです。
社会が軸を失った今、幸せに生きるための新しい価値が求められていることは確かです。
皆さんがそれを創るためには、私の世代を反面教師として、踏み越えて行くべきなのです。
エクセレントカンパニーは、その先に必ず現れると信じています。
幸せというチェック指標を失わず、新しい価値を創る、
それがエクセレントなクリエイティブであると信じています。
原 正和 |